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医療保険の基礎

〜目次〜
保険の種類
一部負担金・自己負担金(窓口徴収額)
公費負担
保険請求のおおまかな流れ
医療法と健康保険法
返戻(へんれい)と減点
健康保険の対象外
継続保険
高額療養費制度
傷病手当金
自賠責保険
労災保険
結核予防法

(1)保険の種類

健康保険はサラリーマンなど勤め人(被用者)が加入する社会保険と自営業者などが加入する国民保険に分類されます。なお、健康保険をまとめて「保険者」、加入者本人を「被保険者」、加入者の家族を「被扶養者」とします。被保険者の定義は保険料を納め、保険給付を受ける人のことを指します。

社会保険(被用者保険)

(イ)政府(政府管掌、船員、日雇特例保険者)
(ロ)共済組合(国家公務員、地方公務員、私立学校教職員など)
(ハ)健康保険組合(新日本製鉄、松下電器など全国で約1,820組合)
(ニ)自衛官
 
政府管掌…小規模かつ従業員のみで保険組織を運営不可能な中小企業に対して、政府が保険者となります。
 
日雇保険…日雇い従事者のための保険証に毎月承認印が押してある時のみ有効なもの。日雇保険も厳密には政府管掌の一つですが、便宜上一般被保険者を政府管掌と呼び、日雇保険と区別しています。一つの病気が継続していれば承認印がなくとも保険治療が受診出来ます。
 
船員保険…業務外と業務上で負担額が異なります。

組合保険…従業員が多く会社内で保険が運営できる事業所等は、自分で保険組合を作っています。

自衛官…特殊な例ですがこれも社会保険に分類されます。

共済保険…学校教員などの共済組合が代表的。

その他に健保組合と共済組合退職者を対象とする特定健康保険組合、特定共済組合などの退職者医療があります。

国民健康保険(地域保険)

(イ)市町村国保
(ロ)国保組合(医師国保、全国土木、建設国保等)

一般国保…市町村が保険者となり、個人事業者や無職の人が対象。退職者医療も有。

国保組合…芸術家や建築業、医師、歯科医など同業者が集い作る組合保険を指します。

また特殊な例として生活保護対象者の医療扶助があります。病院等で医師が「意見書」という様式で治療が必要なこと、治療期間等を証明⇒患者が地域の福祉事務所に意見書を持参し、保険証の代わりとなる「医療券」を
発行する…という流れで生活保護・医療扶助の双方を受ける場合を併給、医療扶助のみの場合を単給と呼びます。
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(2)一部負担金・自己負担金(窓口徴収額)

社会保険における自己負担金の定義…厳密にいえば保険者は被保険者(本人)にのみ療養給付をし、保険料がかからない被扶養者(家族)には給付しないのが前提。自己負担金とは「医療費の全額を自己が負担する」ということです。自己負担金は外来3割、入院2割、医療を受けた時点で支払い、残額を後日支払うことになっています。ですからそれ以外の未払金を「家族療養費」として保険者が被保険者に給付するわけで、本来ならば被保険者は支給された家族療養費を持参して医療機関に支払いに行かねばならないのですが、手続き上簡略化して、直接保険者が医療機関に支払っているという仕組みになっているのです。

国民保険における一部負担金の定義…国保には”被扶養”という概念はありません。扶養の有無に関わらず家族とは「住民票における世帯員」全てを指し、たとえ乳幼児であっても保険料がかけられています。このため国保の家族は全て被保険者であり、療養の給付を受けますから窓口で支払うのは社保の被保険者同様、一部負担金であります。
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(3)公費負担

老人保健…一部負担金の全額ないし一部を負担するものの代表として老人保健(保険でなく保健と書く)が挙げられます。元来、老人保健は70歳以上が対象でしたが平成14年10月1日から75歳以上に引き上げられました。これに伴い同年同日以降に70歳の誕生日を迎える人(昭和7年10月1日以降生まれ)は、一定の障害のある人で既に老人保健医療の該当者を除き75歳になるまでの間、前期高齢者として老人保健医療制度と同様に1割ないしは2割の自己負担で診療を受けることになりました。(ちなみに老人保険対象は70歳から段階的に75歳まで引き上げられている途中であり、昭和7年9月30日以前に生まれた人はすでに該当しています)

地方単独公費…その都道府県内の医療機関のみ有効な制度で代表的なものに、母子家庭や小児の公費保険などがあります。
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(4)保険請求のおおまかな流れ

通常レセプトは、社会保険関係はすべて「社会保険診療報酬支払基金」(通例、”基金”と略される)に、国保関係は「国保連合会」にそれぞれ提出します。原則として医療機関は社会保険と国民保険に大別してそれぞれ「基金」、「国保連合会」に提出すればよいのです。支払いは、通常3ヵ月後(1月分は3月)に基金・国保から振り込まれます。これは診療報酬を無数にある社保、国保等の保険者に一々レセプトを送っていたら医療機関における事務量は煩雑で膨大となってしまうことが背景にあるからです。
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(5)医療法と健康保険法

健康保険法は健康保険で医療をする医療機関に対する法規で、保険医療を行う場合はこの法律の療養担当規則に従わなければなりません。(健康保険を使わない自由診療に関してはこの範囲ではありません)管轄は「社会保険事務局」で看護や給食をはじめとしてあらゆる基準の調査、指導を行います。また保険上の届出もすべて同局に行います。医療機関、医師ともに保険医療を行うためにはそれぞれ許可を受けねばならず、保険医療機関としての登録と保険医の登録は別々に行われます。これを「二重指定制」といい、保険医療機関であっても保険医でなければ保険医療は行うことが許されません。

医療法は医療そのものに関わる法規。役所では「医療課」の管轄です。医療機関は増改築をしたときなど必ず医療課に届出、変更許可をその度に受ける必要があります。また開設許可は無論、X線等設置許可なども医療課の権限です。
この二つの法律が医療機関にとって、最重要法規といえるでしょう。
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(6)返戻(へんれい)と減点

医師が行った医療行為をレセプトにして請求しても、必ず全額が認められるとは限りません。毎月実施される、基金や国保連合会の審査委員会で一つ一つのレセプトが健康保険法の療養担当規則に合致しているか審査され、疑義があるとレセプトを医療機関に返したり(返戻)、減額したり(減点)されるのです。返戻は内容を再度チェックして修正後、翌月に再提出する必要がありますし、減点の場合は異議申し立ても可能です。

またレセプトが基金や国保の審査委員会を通過しても、保険者の審査で疑義が発生し、基金や国保連合会に返されることもあります。基金や国保連合会は更にもう一度審議し改めて医療機関へ返戻ないし減点、或いはそのまま再度保険者へ送るか決定します。この返戻を特に過誤返戻と呼び、基金・国保⇒保険者⇒基金・国保⇒医療機関といった流れで返ってくることも珍しくなく、近年財政難のために保険者の審査はますます厳しくなり過誤返戻は返戻の大きな比重を占めるに至っています。(過誤返戻は再請求するとそのまま通るか、減点されるかいずれかです)
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(7)健康保険の対象外

健康保険は病気やケガが対象であるため以下の例などは対象外とされます。
・美容医療(二重まぶた等)
・単なる疲労、倦怠
・正常妊娠・分娩
・白毛、無毛、多毛
・健康診断
・会社や工場への定期的な出張診療
・予防的医療(家庭内に発生した麻疹などの未感染者への予防接種や狂犬にかまれたときの破傷風血清など例外あり)
・第三者行為による疾病(交通事故等。ただし被害者が保険証を提示した場合は保険者に届出をすることで保険使用可)
・業務上の疾病(通常、労災を使用)
・ケンカや自殺
ただ実情は、ケンカや自殺、単なる疲労でも黙認されるケースが多く保険治療がなされている傾向です。
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(8)継続保険

代表的なものに「任意継続」があります。これは被保険者期間(保険に入っていた期間)が2カ月以上あれば、資格喪失後20日以内に届ければ原則、最大2年間資格を継続できるもので一般の被保険者と変わることなく付随する恩典全て受けられます。(ただし被保険者は保険料を事業主負担分も支払わなければなりません。また55歳以上の退職者が2年間でなく60歳まで継続できる特例は廃止され、さらに被保険者期間が1年以上あれば退職して資格喪失した後も治療が継続している場合、その疾病の開始日から5年間継続して治療が受けられる「継続保険」は平成15年4月より廃止されました)
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(9)高額療養費制度

窓口徴収額が高額になったとき、一定金額を超えると超過分が還付される制度が高額療養費制度と高額医療費制度です。高額療養費制度は、いったん窓口徴収額全額を支払い還付される制度ですが国保には「受領委任制度」といって、支払いが困難な人のために還付される金額を見越して基準額だけを医療機関に支払い、本来、患者さんが全額支払った後、還付される分を医療機関が受け取る制度が(都道府県によって若干異なりますが)あります。社会保険では受領委任制度の代わりに還付予定額の8割相当額を貸付する制度(貸付制度)があります。

一般患者と前期高齢者は高額療養費制度の対象となり、老人保健対象者は高額医療費制度の対象となります。(ただし、前期高齢者の対象となる制度は一般患者と同じ高額療養費制度ですが、自己負担額については老人保健対象者と同じ扱いとなります)

以下に高額療養費の規程一部を抜粋します。

・同一月に同一医療機関ごとに、それぞれ窓口徴収額が72,300円を超えたとき。(低所得者は35,400円)
・同一世帯で同一月内に2人以上がそれぞれ21,000円以上の窓口負担をし、その合計額が72,300円を超えたとき。
・同様に入院と外来があるときは、各々が21,000円以上の場合のみ合算できる。
・同一世帯で高額療養費支給回数が1年間に4回を超えたときは4回目から40,200円を超えた金額が還付される。
なお、これら制度はあくまで治療額の負担金に対するもので入院給食に係る療養費の窓口徴収額は含まれず、手続きは受診者本人が保険者に申請することになっています。
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(10)傷病手当金

社会保険では疾病のため就労できない状態が4日以上続いた際に、傷病手当金として欠勤4日目から1日につき標準報酬月額の6割が支給されます。(ただし、支給期限は支給開始から1年6ヵ月)一部国保組合にも同様の制度があり、被保険者期間が1年以上あれば支給中に国保に異動しても、傷病手当金受給が継続されます。
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(11)自賠責保険

自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、車やバイクに乗る人が加入する保険制度。交通事故のときは原則として健康保険は使わず、自賠責保険(限度額120万円、死亡・後遺症は別枠)で相手の治療をし限度額を超えれば加害者が全額負担することになっています。医療機関は自賠責の場合、自由診療で点数を高く設定して請求するのが通例(1点20〜30円が一般的)。自賠責でカバーしきれない部分を任意保険が補填します。ただしこれらの処理を個別に行うと事務が煩雑になるので「任意一括」といって任意保険の保険会社が自賠責の分もまとめて
行うのが一般的。これは自賠責保険と任意保険の保険会社が異なる場合も同様です。

自賠責保険は被害者救済が目的ですから原則として過失相殺はありませんが、任意保険は過失相殺があり、過失の割合に応じて給付額を減額することになっています。過失相殺はあくまで加害者の支払うべき金額を査定するものであり、保険会社は支払うべき金額を加害者に代わって(加害者の代理人となって)支払うということになります。過失相殺があるとその差額を加害者が「自腹で払わねばならないのでは…」と誤解する向きもありますが、そういうことではなくあくまで加害者が支払うべき金額を保険会社が代理として支払うと理解すべきです。

問題なのは任意保険に加害者が入っていない場合。その際は被害者の健康保険を使用し治療費を圧縮するというケースも出てきます。この場合、「第三者の行為による傷病届」を保険者に届ける必要があります。(届出を怠ると保険者は、被保険者に治療費を請求することがあります)さらに任意一括では保険会社が少しでも支払う金額を少なくしようとするために、被害者に健康保険の使用を勧めることも少なくありません。これは前述したとおり治療費の圧縮が目的で、慰謝料や休業補償に回すためですが、医療機関は保険証を提示されると健康保険による医療を行う義務があるため、自由診療ではなく保険診療を行わなければなりません。

・過失相殺の具体例…加害者2割、被害者8割の過失があったとし、被害総額を700万円とすると、加害者は140万円の支払い義務が生じ、保険会社は自賠責から120万、任意保険から20万円の支払いをします。加害者が10割の過失があるならば自賠責から120万、任意保険580万円の支払いをします。
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(12)労災保険

労災保険は「労働者災害補償保険」といい、就労中の負傷や死亡、仕事が原因になった病気や死亡、通勤や帰宅途中での負傷や死亡の際、医療、休業補償、埋葬費などが給付されるもので、同じ性質の健保の給付は行われません。

社長や取締役などは労災保険を利用できないので、仕事中の負傷であっても健康保険を使用しますが、例えば”取締役総務部長”というように従業員としての職務を兼務する場合は労災保険が適用になります。尚、通勤災害で車等の交通事故の場合は自賠責保険を使うか或いは労災保険を使うかは、被害者に有利な方を選択することになります。労災保険の方が休業補償や後遺症などの利点も多く、通勤災害では労災を使用するケースが少なくないようです。
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(13)結核予防法

結核予防法は「結核患者」に対する公費負担を指し「34条」と「35条」に大別されます。
「34条」は結核の一般患者に対する医療を対象とし、公費は結核治療に関する投薬・注射・検査・画像診断・手術・入院料などを負担します。窓口徴収額は元保険の有無および種類にかかわらず、対象医療費の5%となっています。ちなみに難聴の検査などは結核に対する医療でも公費負担にはなりません。

「35条」は強制的な入院措置で、入院時食事療養費を含む入院医療費のうち、保険給付された残りの部分を高額療養費の負担上限まで公費が負担し、それを超える部分は高額療養費の適用を受け各保険者より保険給付されます。(ただし所得制限があり、年間所得税額の合算額が150万円を超える場合、最大2万円まで窓口負担が生じます)

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