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レセプト業務の実際

〜目次〜
レセプト業務の重要性
レセプト点検
カルテを読む訓練
その後の流れ

(1)レセプト業務の重要性

病院においては医業収入(正常分娩、室料差額、美容整形から文書料に至るまで患者さんに対して提供したサービス全てを指す)の9割を入院、外来の診療費が占めていることが示すようにまさに医療機関にとって責任重大な業務がレセプト。保険診療においてはその難易度に応じた料金が点数によって決められており、各診療行為の点数は1点当たりの単価が10円、これを乗じて計算した金額が診療報酬となります。

各診療行為の点数をまとめたものが「診療報酬点数表」。これをこの場で逐一列挙することは叶いませんが、各々でお持ちのまたはこれから医療機関で手にすることになる点数表をよく頭に入れ、日々理解を深めて下さい。ちなみに点数表には医科診療、歯科診療、調剤行為に関するものに分かれておりそれぞれの機関で該当する点数表を使用します。

・以下に実際のレセプト記入事項を一応整理しておきます。

(イ)上書き部分

@「平成  年 月分」欄 カルテに記載されている診療が行われた年月を記入。 
A「医療機関コード欄」 医療機関ごとに定められた7桁の医療機関コードを記入。 
B「保険種別」欄 保険の種類か公費医療など該当する番号に○をつける。次に単独での保険適用なのか、公費負担と併用なのか該当番号に○をつける。 
C「本人・家族」欄 診療を受けた人が、本人なのか家族なのか、さらに3歳未満であるかなど該当番号に○をつける。 
D「保険者番号」欄 カルテに記載されている保険者番号を記入、その月の途中で番号が変更になった場合は、保険者番号ごとにレセプトを作成する必要有。 
E保険証・被保険者手帳等の記号・番号 カルテに記載されている記号・番号を記入、その月の途中で記号・番号が変更になった場合は、変更後の記号・番号を記入。 
F「氏名」欄 診療を受けた人の姓名を記入、性別・年号は○で囲み、生年月日も併記 
G「職務上の事由」欄 船員保険加入者のみ記入要。 
H「保険医療機関の所在地及び名称」欄
はじめから印刷しておく場合が多い。保険医療機関の指定申請を行う際に届け出た所在地と名称を記入。 
I「傷病名」欄 記入しきれない分は摘要欄も使い、カルテに記載された傷病名を発生順に記入。 
J「診察開始日」欄 保険で診療を開始した日を指し、カルテに記載されている傷病名の順に、診療開始の年月日を記入。 
K「転帰」欄 患者さんがその診療月にどのような状態であったかを記入、翌月も継続して診療が行われる場合は不要。 L「診療実日数」欄 その患者さんの診療を行った暦日の日数を記入。

(ロ)点数欄

各診療行為の診療報酬点数と回数が全て記入され、薬価とあわせて保険請求分の診療報酬が算定される。また臨床検査名は省略名を用いて記入できる。
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(2)レセプト点検

医事会計コンピュータの導入促進により大幅な合理化が図られるようになったレセプト業務ですが、その内容に不備があると返戻や減点が絡むためデータが正しく入力されているかどうかの点検作業は今だ多大な時間がかかるのが実情で、レセプト期間の残業は多くの医療機関が修正に費やしているともいわれています。

特に作業はコンピュータの修正入力、カルテへの転記、さらにはレセプトの再発行と、単にレセプトを書き直すよりも数倍の時間を要します。修正で発生する大きな問題点として、訂正によって点数が変われば当然患者さんの負担金も変わり、受診者の信頼を損ねてしまうため医療機関の信用問題にも関わってくる点、また修正だらけのレセプトは審査側にも見づらいだけでなく、医療機関へのマイナスイメージのみ残す結果となるので、本来はミスのないレセプトを作成する環境作りと意識付けが重要です。

しかしながら万一のミスを未然に防ぐためレセプト点検は有効ですので、しっかり押さえておきましょう。
以下に点検の具体的な留意点を見ていくことにしましょう。

(イ)診療月の表示

@月遅れ請求分、基金・国保連合会から返戻され再請求する場合、「○年○月分」が赤丸で囲まれているか確認。
A(一般病院)診療年月と開始日が同月の際、初診料があること。
B診療年月と開始日が同月であって初診を算定しているとき、それ以前の病名が存在するときは必ず転帰がなされているかに注意する。

(ロ)医療機関コード

コンピュータの普及によりほとんど問題にならなくなっているが、記入する場合においては、手書きは絶対やめ、必ずゴム印を使用する。

(ハ)保険者番号・記号番号

@トランスポジションエラーに気をつける。
・06783280を06782380とするなど、数字を前後して入力してしまう。点検者さえ見落としがち。
A特に公費併用において保険者番号とレセプト用紙の不一致に注意する。
B保険者番号と給付率の不一致に注意する。
C2カ月以上保険証の確認ができていない際は、レセプトの高額なものを優先し本人場合によっては保険者に資格の有無を確認する。

(ニ)氏名、性別、生年月日

小児科において6歳未満の幼児が、特に小児特定疾患カウンセリング科や小児科療養指導料等を算定する際、生年月日は日にちまで入力しておき15歳未満が誕生月にトラブルが起きないようにする。

(ホ)傷病名、診療開始日

【傷病名】
@病名の略語は禁止、原則=日本語で書く。普遍化した外来語(ロイマチス、インフルエンザなど)はカタカナで記入できる。
A神経痛、皮膚疾患、外傷などは部位まで記載する。
B診察の結果、異常がない場合は主訴から判断して「○○の疑い」と記入。(「異常なし」とは記入しない、また疑い病名の乱発は注意)
C妊婦の場合、妊娠の週数を記入する。
D病名の漢字の誤りに注意。
・糖尿病性盲膜症⇒糖尿病性網膜症
E10個以上の病名過多は査定が厳しいので要注意。
・20個を超えるような場合は必ず整理する。転記モレによる重複病名に気をつける。
F関連のない疾病を1行にまとめない。

【開始日】
@傷病名が(1)(2)(3)と3つあれば診療開始日をそれぞれ(1)(2)(3)と分けて記入する
A自費から保険、国保から社保等に切り替わった場合など、適用する法律や保険者が変わったような場合は、変更後、来院した日を診療開始日とし、摘要欄にその旨を記載する。(社保・国保から老健摘要になった場合は、変更前の診療開始日を記入。生保に変更の場合はそのままで良い)
B感冒の開始日が1ヵ月以上前…というように疾病の開始日が古くないか注意する。
C急性疾患が必要以上に古い開始のままになっていないかに注意。
D疑い病名のままで古い開始のままになっていないか注意。

(ヘ)診療実日数

@訪問看護は含まず、電話再診のときを含んで、外来で医師が患者、或いはその代人と面談し診療した日数。
A同日再診は1日としてカウント。
B傷病手当金の証明のみの場合は実日数としてカウントしない。(ただし空欄にはせず「0」と記載。

(ト)転帰

@全傷病が同じ転帰の場合は該当欄に○印をつけ、そうでない場合は○印に傷病番号を併記する。
A初診料を同月2回以上算定の際は、治療日を記入。
B転帰を早く行い、疑い病名を長期にわたって使用しない。

レセプト点検では「性別」「生年月日」の○印と傷病名と開始日、開始日と初診、再診、指導料の関係、主な薬品、検査、処置・手術等で病名との矛盾を調べるなどは、一枚につき入院レセプトで1〜3分、外来レセプトは5〜10秒程度でチェックできるようにならなければなりません。上記に挙げた留意点はあくまで点検の一部であり、基本的な事柄に過ぎません。

点検の段取りは@複数の人が目を通し、ベテランだからといって例外にしない、A事務上の点検が済んだものは、病名の点検に移行するというように流れ作業のシステムを構築する、B点検は全て「高額」なものを優先する…というように進めて下さい。
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(3)カルテを読む訓練

カルテに書かれている文字は、略語や専門用語が凝縮されています。より正しいレセプトを速く作れるようになるには「レセプトはカルテの変形」であることを認識し、日々カルテを読む訓練を重ねる必要があります。病名は本来、医師が記載するものですが、病名欄に記載せず、カルテ内に記載する医師も多いことを踏まえて、病名がはっきりしていればコンピュータに入力しておくのは有効です。病名モレは発見した時に入力しておかないと漏れたままになってしまう危険性があります。

例えば抗生剤を使用しているのにそれに該当する病名がない場合など、カルテが理解できれば、すぐ正しい病名を把握することができます。カルテは全ての医療行為を記録した病院の財産ですがその重要性は、保険請求においても同様であるということはいうまでもありません。
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(4)その後の流れを再確認しておきましょう

【提出】

レセプトの診療内容が傷病名に対して適切であるか点検し、症状の経過や特殊検査の実施事由を注記するのは医師の業務。医事課長など熟練者やベテランが、傷病名と診療内容の不一致、記載漏れなどをあらかじめチェックし付箋などを付けて医師に回します。点検作業がすべて終了したら、レセプトの合計明細である「診療報酬請求書」を作成することになります。仕訳の最小単位ごとにレセプトの件数、日数、点数、一部負担金などの集計を行い提出先となる審査機関で定められた綴じ方で仕訳し、いよいよ提出です。

【審査およびその後】

できあがったレセプトは基金と国保連合会に毎月10日まで提出され、初めに事務的点検が行われた後、審査委員会によって、月末にかけて審査が行われることになります。専門科別に担当が決められた審査委員によって審査が行われ、「必要有り」と判断されたものに関して、合議による再審査が行われます。審査の結果「問題ナシ」との判定が下れば各保険者に対して翌月(診療月の翌々月)5日までに請求を行い、20日までに収納して、21日には各医療機関に診療報酬が支払われます。

しかしレセプトに不備があるとご存知の通り「返戻」や「減点」といった事態が発生し、医療機関に戻されてきてしまいます。返戻されたレセプトは再点検され、注記・修正が行われた上で再提出することになるため、支払機関から診療報酬が支払われるのは早くとも一ヵ月遅れとなり、病院経営の資金繰りに直撃する結果となります。減点通知を受けた場合は担当医と協議の上、再審査請求を行うことが可能。原則、6ヵ月以内に再審査請求を行う必要があり、素早い対応が求められてきます。

審査支払機関へのレセプト提出が完了した後、一部負担金やレセプトの点数をもとに該当する診療月の診療報酬請求額を算定し、会計上の債権として確定させることを「調停」といいます。この調停額から、査定増減額、過誤増減額、返戻額を差し引いた金額が、医療機関の銀行口座に振り込まれるわけです。返戻されたレセプトは整理簿(診療月・入院外来の別・診療料・本人家族の別・患者名・請求点数・返戻理由などを記載する)を作成して管理し、再点検、修正等必要措置を講じたうえで、再提出の処理を行うことになります。

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